本の紹介
ここでは私が個人的に有用だと思う本を紹介します
お釈迦さまも、「よるべきは、良く鍛えおきし己かな」とおっしゃっています。
パイロットにとって、知識は力です。
また、失敗から学ぶと言いますが、パイロットにっっての失敗の代償は高すぎます。
できれば、失敗する前に学ぶのが一番です。
本は今後、逐次増やしていく予定です。できれば時々見てください。

安全



「エアラインパイロットのための航空事故防止 1」

各国の事故調査報告書をもとに、よく知られている過去の事故ではなく最新の事故を中心に書いています。
パイロットが何をすべきなのか、何をしてはいけないのかが明確にわかるようになっています。
28の事例を書いたA4判、206ページの本です。

鳳文ブックスからもご注文いただけます。
事故を防ぐにはどうしたら良いかという点で参考になるかと思います。よろしければ、ご覧ください。



横田友宏著 鳳文書林

安全を守るためにすべての個別の事例と、その対策を網羅するのは非常に難しいと思われます。
それよりも安全の原理、原則を学んだ方が様々な事例に対処できるかと思います。
この本では航空の事例を例にとり、航空以外の分野でも役立つように編集されています。
また刈谷さんが、各話に合う素敵なイラストを描いてくれました。
このイラストだけでも頭に残れば安全性を大きく向上させることができるかと思います。
安全のマニュアル航空の現場から 安全の哲学をイラストともに紹介しています

すべてのパイロット、安全に関わる仕事についている方にお勧めです。

内容のサンプルはこちらから安全のマニュアル
ご注文はこちらから セブンネット




サレンバーガー著 青山社文庫

鳥に衝突し、エンジンが2台とも停止しながら、無事にハドソン川に着水したサレンバーガー機長書かれた本です。
もし空港に引き返そうとしたら途中で墜落、ハドソン川ではなくイーストリバーに着水しようとしていたら橋に激突、
他の空港に着陸しようとこころみていたら途中の陸上に墜落と、この決断以外の選択肢を選んでいたら大惨事になっていたかも知れません。
単に運が良かったのではなく、様々な研修会や講習会に出て、また技量を磨き、常に安全を心がけていたからこその決断でした。
その中でも、結果に満足せず、自分として反省まで書かれているのはパイロットとして見習うべき先達かと思います。

すべてのパイロットにお勧めです。


クリス・ハドフォード著 早川書房

宇宙飛行士が書いた、どのように訓練するか、緊急事態が起きたときにどのように対処するか、その時何を考えるのか
について書かれた本です。多くの宇宙飛行士が本を書いていますが、パイロットにとって役立つという視点からは
この本が一番かもしれません。
多くの気づきを与えてくれます。
注:タイトルが中身とあっていません。中身は宇宙飛行士が実践する人生に対する考え方が書かれています。



気象



横田友宏著 鳳文書林

手前味噌ですが、私が書いた本です。
従来の航空気象の本の多くが、気象の専門家によってかかれています。
この本では、あくまでパイロットの視点から、様々な天気図や気象データをどのようにみればいいのか。
気象状態に対してパイロットはどのような対処をすればいいのかを書いています。
過去の経験とスーパーコンピューターの作り出す気象データーを元に、
フライト前の気象データの見方、実例研究、フライト前の対処、フライト中の対処、飛行に影響を与える気象状態、
空港別地方別の気象、気象状態の可視化などについて豊富な写真とイラストを使って説明しています。
また台風のひまわり画像の3D化、立体視にも取り組んでいます。

既にエアラインのパイロットに成られた方にお勧めします。

羽田のブックスフジまたは鳳文ブックスにご注文ください。



気象の根本原理から高度な話まで非常にうまくまとめられています。
最近特に気象変化が激しい中、気象の理解にお進めです。

杉本憲彦著 ベレ出版




市来敏綱著 鳳文書林

元JALのディスパッチャーだった市来さんが書かれた気象の本です。
多数のイラストや写真を使って非常にわかりやすく書かれた気象の教科書です。

これからエアラインのパイロットを目指す方にお勧めします。

羽田のブックスフジまたは鳳文書林にご注文ください。


過去の凄かった天気の日を集めて、何故それが起きたのか、どんな天気の時に注意しなければいけないのかを
解説しています。
ちょっと、情報が著者のいる関東に集中しすぎているきらいもありますがなかなか参考になります。

金子大輔著 自由国民社


雲の中でどんなことが起こっているのかをゆるきゃらを使ってわかりやすく紹介しています。

荒木健太郎著 ベレ出版


様々な歴史上の事件に天気がどのように関わってきたかを気象予報士の視点から書いています。低気圧が通過しなかったらナポレオンはワーテルローの戦いに勝っていた・・など興味深い話がいっぱいです。
この本を読むと、人類は過去様々な気象変化にさらされてきたことがわかります。異常気象も実はその一環で、逆に今までの100年間がいかに気象が安定していためぐまれた時期だったのか、だからこそ人類がここまで発展できたのかがわかります。気象はこれから本来の姿を現して、乱暴になると思われます。

田家 康著 日本経済新聞社


気象予報士の森田さんが監修した本です。竜巻についての基礎をしっかり書いています。ダウンバーストがどこで起きやすいかなども書かれています。
次の本よりも基本的なことが書かれているのでこちらを先に読んでもいいかも知れません。

森田正光、森さやか著 共立出版



竜巻についたかなり深いところまで、ゆるきゃらも交えてわかりやすく説明しています。

小林文明著 成山堂書店

オペレーション



坂井優基著 PHP新書

単なる飛行機の操縦法ではなく、様々な条件の中で、パイロットは何を考えて飛ばなければならないのか、
どんなことに気を付けなければならないのかが書かれています。
熟練パイロットの過去の経験と暗黙知を学ぶには最適な本かと思います。

エアラインの副操縦士として飛ばれている方にお勧めします。

アビオニクス

アビオニクスについてこれほどわかりやすく、かつきちんと説明した本は見たことがありません。
IRS、レーザージャイロ、GPS、TCAS、GPWS。WXレーダーと基本をしっかりと説明しています。
内容は一等整備士を目指す勉強嫌いな翼くんと、その妹で天才少女、先輩のいけめん・・・とコミカルタッチなのですが、内容はとっても深いところまで書いてあります。
さらに嬉しいのはその値段です。これだけの内容でありながら、税込み2209円です。羽田のブックスフジで手にとって内容はすばらしいでもひょっとしてすごく高いのではとおそるおそる裏を見て、即購入しました。
今のところ、本年度、一押しの書物です。


 日本航空技術協会

飛行方式



中西善信著 鳳文書林

私の友人の中西善信さんがパイロット向けに書いてくれた飛行方式とについての本です。
中西さんは、全日空に勤めた後、国土交通省からの仕事で実際にSID、STARを作る仕事をされています。
また。ICAOの会議のチェアマンを務めるなど、この分野における世界的な専門家です。
SIDやSTARがどのような条件を元に作られているか、それを飛行するにはどのような点に気をつけるべきかが
数式を使わずに書かれています。

飛行方式について勉強しようとされている方、機長訓練に入られている方にお勧めです。

羽田のブックスフジまたは鳳文書林にご注文ください。




中西善信著 鳳文書林

同じく中西善信さんがパイロット向けに書いてくれたRNAVについての本です。
SIDやSTARがどのような条件を元に作られているか、それを飛行するにはどのような点に気をつけるべきかが
数式を使わずに書かれています。

RNAVについて勉強されようとしている方、機長訓練に入られている方にお勧めです。

羽田のブックスフジまたは鳳文書林にご注文ください。

リーダーシップ

東洋経済新報社 

アメリカ海軍で1、2を争うだめな原子力潜水艦を、艦隊1の優秀な艦に変えることに成功した艦長の書いた本です。
士気の高め方、権限委譲、ミスの防止など、
個人的には過去様々出されているミス防止の本の中では一番良い本ではと思います。
SHELL MODELのような単なる概念論や、知識人が書いた観念論ではなく
どうすれば現場が良くなるか、どうするばミスが少なくなるかという点で非常にすぐれた本だと思います。



勉強法

私が昔書いた、訓練生向けの冊子です。
内容が合わなくなっているところがあるかも知れません。

パイロットの勉強法基礎課程編

パイロットの勉強法実用機課程編

エアラインパイロットを目指している訓練生向けです。
内容を改変しない、商業利用しない限り自由に配布していただいてかまいません。

Boeing 737

737のシステムについてコックピットのインディケーションから、各ライトの点灯条件をフローチャートで示し、
気を付けなければいけない点などを細かく記述しています。
システム、特にノンノーマルの対処に対して、737では一番優れた本かと思います。

同じ737でもシリーズによって違います。またカラー版白黒版と様々にわかれています、
最近ではipad、anndoroidで使える電子版が出ています。
マニュアルにはなくこの本にしか書かれていないことも多いので、737のパイロットにお勧めです。


737のFMSに関して、細かく説明しています。
FMSのプログラムのナンバーに依存しますので購入前にご確認ください。


機体


ボーイング社aeroマガジン
季節刊のボーイングが出していweb雑誌です。
機体の説明ばかりでなく、気象など様々な課題を取り扱っています。
http://www.boeing.com/commercial/aeromagazine/articles/2014_q2/archive.html